sevenswell

リンの思考記録、日記。PSO2のPC視点のブログ。

ショップエリアに桜が咲いていた。徐々に咲いていくものだと認識していたが、ショップエリアの桜だけは違うようだ。ある日、突然、桜の花が満開になり、淡い色の雨を降らせている。

不思議な光景だと、買うべきものがあるのを忘れて桜を見上げた。

桜といえば父と母と3人で花見に出かけた記憶がある。私の桜に関する知識はそのとき、二人が教えてくれたものに基づいている。満開の桜がずっと続く道をゆっくり歩きながら、父と母から交互に桜について話を聞いたのだ。

同じ遺伝子を持っているため、ほぼ同時に咲く。船の中ではわからないが大陸であれば、桜の開花する地域が広がっていく様子が見えるだろう。そして、その線を桜前線というのだとも。その桜前線を見てみたい、とわたしは言った。父と母は同時に3人で見よう、と返事をしてくれた。それからというもの、桜を見るたびにそのときのやり取りを思い出していた。

10年前のダークファルス襲撃以来、途絶えていた習慣だったことも一緒に思い出した。父も母も命を奪われ、約束も潰されてしまった。悲しみより、心の大半を失ったような感覚があった。それからの時間には何の意味も持たなかった。持たなかった、と過去形で書けるのは幸いだ。今の私には桜を一緒に見上げたい人たちがいるのだ。